皆さん、こんにちは。
株式会社エルロンの加藤です。
前回は「外国人社員にとっての敬語の難しさ」をお届けしましたが、
今回のテーマは、
仕事をする上でとても大切な「報告・連絡・相談」問題です。
私は日本語講師として、
企業の人事の方、外国人社員の方の双方のご意見を伺うことができます。
人事の方々(もしくは現場の方々)からは、
「外国人社員は報連相をしない」
外国人社員の方々からは
「報連相をしているのに・・・
報連相をするようによく注意をされる」
というお声を伺います。
日本以外の国でのビジネスでも、
もちろん「ほうれんそう」は大切です。
それにも関わらず、
このような食い違いが起こるのはどうしてなのでしょうか。
その原因は
報告・連絡・相談のタイミングがそもそも違う
ということです。
例えば、
日本で上司から頼まれて中長期的な業務を行う際には、
定期的にその上司に中間報告を行ったり、
相談をしながらプロジェクトを進めると思います。
一方、一部の国(地域)では、
100%完成された成果物しか上司に提出しないと
いうこともあります。
これは、
上司に中途半端な成果物を見せられない、
それで評価をされてしまう
という不安があるからだそうです。
私がNYで異文化の中で仕事をしていた時は、
1人の社員が1つのタスクを初めから最後まで行い、
それを責任者に「報告」するというシンプルなものでした。
業種にもよりますが、
「数字が命」の企業だったので、
隣に座っている同僚もライバル視していました。
そんな環境下で、
途中経過を報告したり、
相談して弱みを見せることはできない環境でした。
(もちろん、国/地域、業界、企業によってさまざまですが)
私も帰国して日本企業で仕事をした際に、
途中経過を報告するタイミングがわからない時期がありました。
「報告・連絡・相談」のタイミングで重要なのが、
「なに」を「どのタイミング」で「だれ」に伝えるかを
『明確化』しておくかが重要です。
できれば、
可視化(マニュアル化するなど)するのがベストです。
「そんなことまでしなくちゃいけないのか・・・」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
日本人は、自然と「空気を読む」という、
状況で見て判断するコミュニュケーションスタイルを取っています。
いくら報告・連絡・相談のタイミングの違いがわかったとしても、
それを明確化しなければ意味がありません。
「なんとなく、わかるでしょ?」というのはNGです。
もし、皆さんに企業に、
「報告・連絡・相談」ができない社員がいるようでしたら、
一度その社員とゆっくり話をするのがいいかと思います。
次回のブログでは、
「空気を読む」という日本の商習慣を
もう少し詳しくご紹介したいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
